Fortes fortuna adjuvat

運命の女神は 心強きひとに微笑み 心挫けたひとに手を差し伸べる

直観の働き方

 

f:id:Ichimonji-Murasame:20211201200056p:plain

 

占い師のみならず、社会で生活するのに直観は重要な能力のひとつです。

いわゆる

「一を聞いて十を知る」察しの良さや

「目から鼻に抜ける」要領の良い人物は、往々にして直観力に優れていると言えるでしょう。

 

組織の中で活躍するにも、トップとして道を切り拓いていくにしても、直観力が求められるのは言うまでもないですね。

 

直観とは過去の経験から生まれるもので、経験から記憶を辿ってアイデアを閃いたり、問題の本質に一足飛びに肉薄する能力の事です。

 

似ている言葉に「直感」がありますが、こちらは一瞬の動物的、本能的な「勘」というもので、今回は「直観の働き方」について話していこうと思います。

 

直観を鍛えるには、思考と体感を一致させていくことが重要です。

体内時計を意識したり、囲碁や将棋などのマインドゲームなどで刺激を与えるのが適しています。

 

端的に言えば、感覚を研ぎ澄ませて、思考回路や概念を絶えず組み替えて多面的に物事を捉えていく訓練が必要と言えます。

 

さて、当然クイズなどもその訓練には適しています。

今日たまたま見かけたメンサのサイト(JAPAN MENSA https://mensa.jp)に載っていた日替わりIQテストが秀逸でした。

直観の導線が分かりやすかったので、それを引き合いに私個人の直観の働きや仕組みを解説してみようと思います。

 

東ー1ー大

大ー2ー福

福ー3ー鹿

東ー4ー?

 

この文字列をぱっと見て浮かんだのは、寺の名前? 奈良? 東大寺?? でした。

しかし、漢字の間に数字がある?? 横線の意味とは?? と、よく分かりません。

記憶にもヒットしません。まだ直観は働かないようです。

 

では見方を変えて、数字に着目しましょう。

何かの序列? 順番? 高低?

1〜4の配列からすると、数字は漢字同士の関係を成立させるに必要な条件のようです。

 

ここで既に直観が働いていますが、つまり以下の関係を瞬時に判断しているのです。

 

1という数字は東と大を直接説明する意味は見いだせない。以下の行も同様である。それが確かであるから、数字は漢字同士の関係を説明する条件の一つに過ぎないと。

 

ここで一端その条件が後の仮説を検証する為に保留されます。

 

次に、なぜ左右の漢字と数字が横線で結ばれているのかに注目します。

ここでもまた直観が働いていますよね。というより、バイアスといっていいでしょう。

 

この文字の配列を見て、直線は各文字を結びつけていると解釈している事自体、日本人特有のバイアスなのです。

例えば電話番号のハイフン。あれも10ないし11桁の数字が一団の意味を成すグループであり、さらに言えばハイフンで区切られた数字群は地域を示している。そういった認識が根底にあるので、この場合、漢字同士が結びつき、意味を成すと予測してしまうのです。

有り体に言ってしまうと、設問者はそう認識するだろうと期待して、この文字列を配置しているのです。

 

というように

東ー1ー大

には結びつきが、あるいは数字の1を媒介に結びついていると予想できます。

 

ここでこの問題の秀逸というか親切というか、直観を導きやすく考えられているのは、上から順に1から4として横に文字を並べている点です。

 

意地悪くすれば、

 

東ー4ー?

福ー3ー鹿

大ー2ー福

東ー1ー大

 

のように並べることも

 

東福大東

||||

四三二一

||||

?福福大

 

と表現することもできるのです。これでも答えは変わりません。

 

東ー1ー大

 

この配列は何らかの結びつきを示していて、平面的な関係があるのではないか? そう直観できませんか?

おそらく設問者も意図的にこう記述したのでしょう。

 

東と大の平面的な関係……これは地名ではないかと思いませんか?

東西の位置関係をそのまま文字列として表現したのではないか?

 

ここまで来れば、ほぼ答えはみえています。

というかこの問題の構造は明らかになっていて、あとは知識の有無が正解不正解を左右するだけです。

 

?には「青」が入ります。

 

これは国道の始点終点の都道府県名を示していたのです。

留保していた数字の条件も、答えを検証してくれていますよね。

 

つまり

国道「1」号の始点は「東」京都、終点は「大」阪府。

国道「2」号の始点は「大」阪府、終点は「福」岡県。

国道「3」号の始点は「福」岡県、終点は「鹿」児島県。

そして

国道「4」号の始点は「東」京都、終点は「青」森県、となります。

 

いかがでしたか? 直観の導き方、イメージできたでしょうか? これを数秒でやってのけるのが直観なのです。

 

提示された問題が、整理され、分類されていた記憶を刺激して分解します。

そして、多義的な多面的な記憶の要素は他の要素でもって再分類される。

そんな運動が活発に起きると、直観力は飛躍的に増大していきます。

 

そしてその運動とは別にひとつひとつの記憶の正確な定義が最終的な評価につながります。

 

この問題で言えば、記憶があやふやなら、国道4号の終点って青森だっけ? 盛岡で止まってる可能性ない? というか4号と6号間違えてない? 水戸なら茨城じゃない?

と混乱してしまいますからね。

 

ですから、直観を鍛えるには、心身のシンクロ度を向上させる事と正確な記憶を蓄える事が肝要なのです。