6 恋人のカード
愚者の少年、もとい青年は、秩序の象徴である法王の祝福を受け、晴れて社会の一員となりました。
彼は、皇帝の家臣団の末席に連なって、日夜己の役目を果たしています。すると、その働きぶりに目を留める女性も現れる──これは道理とも言えますね。
恋人のカードには、一目惚れのようにして出会った、浮き立つような男女の心情が、エデンの園を追放される前のアダムとイブに仮託されて描かれています。
南中した太陽の下、彼らは出会うべくして出会ったと確信し、お互いの純粋な気持ちを確かめていきます。天使も彼らを祝福しているかのようです。
一見、彼らを取り巻く世界には何の障害もないように見えます。
しかし、イブの背後に描かれる知恵の樹とそれに絡みついた蛇は、禁断の知恵の実を食べるようそそのかしています。
その誘惑に乗ってしまえば、今の関係は脆くも破綻しかねない事を示唆しているのです。
そして背後に描かれた山は、行く手に困難が待ち受けているとも読めますが、さらにこの山の容姿に注目してみましょう。
この山の形をみれば、日本人なら誰でも富士山を連想すると思います。ヨーロッパなら、エトナ山やヴェスヴィオ山がそれに当たるでしょう。
つまるところ、これは火山を表しているのです。火山、ひいてはマグマの存在を。
マグマとは人間の根源的な情熱の象徴です。魂の蠢動なのです。
ただ、このカードの火山からは噴煙がのぼっていませんから、休火山だと言うことが読み取れます。つまり、マグマの活性に象徴される人間の根源的な情熱がないということ。
ですので恋人のカードは、表面的に楽しげで前途洋々にみえますが、不完全な状態とも言えるのです。
真心からその相手に接しているのかを内観する必要があるとも読み取れるのです。
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