Fortes fortuna adjuvat

運命の女神は 心強きひとに微笑み 心挫けたひとに手を差し伸べる

吉相でも悩みはあるんです 後編

 



少し時間は戻ります。


時間より早く柴又に着いたので、まずは帝釈天さんにご挨拶しておこうと思ったんです。


ちょうど境内に入って参拝者の列に並ぼうとすると、正午の鐘が鳴りました。

住宅街で鐘を突くのは珍しいですが、何てことはない鐘の音が妙に心に引っかかったのです。


参拝を終え駅前で彼とおちあって、目当ての蕎麦屋が混んでいたので、先に帝釈天さんところへお参りしようと彼が言い出しました。


私は何も言わずに彼の後に従いました。


彼は吸い込まれるように帝釈堂に入っていきました。私も後に続きます。


堂内ではちょうどご祈祷が始まったところで、彼は無関心のようでしたが、私が正座して手を合わせると、彼もそれに倣いました。


そして、蕎麦屋での話に繋がるのです。


彼ほどではないですが、私も両手に弱い神秘十字線があり、片手に仏眼相を持っています。普段でしたら、参拝の折に歓迎されるのはいつもながらありがたいと思います。


が、今回は違う役割を求められていると悟ったのです。時を告げる鐘のように、彼に伝えよと。


彼はまだ自分の背景を意識できていない。だから、まずはそれを正しく理解するよう伝えました。


確かに彼は恵まれている。神仏からも愛されて、このままでも全く問題無く人生を歩んでいける。でも、遅かれ早かれ、彼は相談しにくるでしょう。


恐らく、私が今まで彼から時折感じていた、己を持て余しているような感覚の正体を見出して、伝えねばならないのでしょう。


それでも自分の使命を悟るかどうかは彼次第。


彼との付き合いが20年以上になるのは、似た手相は惹かれあうものなのかと思ったりもいたします。


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